花森安治の仕事展で観た生前愛用した仕事道具の数々とデザイン能力・伝える能力の凄さ


昨年NHK朝の連続ドラマ小説「とと姉ちゃん」が放映されていた。
そのドラマで私は初めて暮らしの手帖の編集長が花森安治で、記者として、カメラマンとして、イラストレーターとして活躍されている多才な人物であると知りました。
あらためて花森さんの時代の暮らしの手帖がどのように制作されていたのか、
花森さんの愛用の仕事道具は何を使用していたのか、
どのような人生を送ってきたのか、
「花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼」展に足を運びました。

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花森安治さんが愛用していたとされる仕事道具の数々

私は花森安治さんのイラストが好きだ!
今まで気づいてないだけで、花森安治さんのイラストを日常で見かけていたのだろうと思う。
彼のイラストには愛がある。暮らしを大事に想う愛だ。
そして全てにおいてずば抜けた感性を持っている人なんだと私は思う。

展示の内容

第1章:学生時代の花森安治
第2章:戦時下の花森安治
第3章:暮らしの手帖社の花森安治
第4章:花森安治の装幀
第5章:<一銭五厘の旗>を掲げて
第6章:花森安治の「あいえうお・もの図鑑」

の6章で区切られており全736点の資料が出品されています。
スタートは第6章:花森安治の「あいえうお・もの図鑑」から始まり
生前花森さんが愛用していた道具や暮らしの手帖社で使用されていたものテスト商品が多く展示されていました。
大体2時間〜2時間半で全てを見終えました。

花森安治さんが愛用していた仕事道具

私が一番知りたかったこと、見たかったものです。
何を使用してイラストを描いていたのか?文章を書いていたのか?
展示されていた愛用のものたちを見てきました!

2Bの鉛筆:展示されていたものは三菱の9800

鉛筆削りは使用せずにいつもナイフで削られ、机にキレイに並べられていたとされています。

カメラ:ハッセルブラッド500CM

無類のカメラ好きであった花森さん仕事中時間が空くとカメラ店に行っていたようです。
新入社員には初ボーナスでカメラを買わせ、自分のカメラでの撮影を推奨したそうです。

クレパス:50色入りのサクラクレパス

イラストに使用されていたとされています。その他に水彩・ポスターカラー、クレヨン、パステルいろんな画材を使用されていたようです。

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シェーファーのインク瓶

インクが最後まで使用出来るような工夫がされており、デザインも優れている。自らのエッセイで「シェーファーのインク瓶」と書いている程お気に入り。
今ではモデルチェンジをしていて昔の瓶は手に入らない模様。

大きな黒の机が展示されていました。その長年愛用していた机は報道技術研究所から衣装研究所の事務所を立ち上げた時に譲り受けたもので、すべての仕事はこの机から生まれた。

8mmカメラ:展示されていたものはボレックスの16ミリカメラ

今は見ない8mm・16mmカメラどんな風に映像で残っているのか気になります。
花森さんがカメラを撮影している姿が度々写真で残っているので、常に持ち歩いていたことがわかります。

ナイフ:肥後の守

主にこれで鉛筆を削っていたとみれます。
鉛筆削りは許せなかったと記載がありました。

ボールペン:トンボのボールペン・10色(?)ボールペンが展示

仕事道具のひとつとして使用されているのだな〜と感銘
10色(?)ボールペンは記載がなかったのでどこのブランドかはわからず。。。

ランプ

ランプは「暮らしの手帖」のシンボルであり、世を照らす灯火でありたいという願いが込められているそうです。
そういえば表紙でもランプは登場していますね。
展示されていた暮らしの手帖社のレターヘッドもランプのマーク入りでした。

とと姉ちゃんでもあった商品テストでテストされたトースター・洗濯機・ストーブ・電気釜・ミシンなど今では見ることさえもなくなったレトロな家電も展示されてました。
レトロ家電ちょっと憧れます。

花森安治のデザイン能力・伝える能力の凄さが分かる

暮らしの手帖の表紙

創刊号から亡くなった次の号の表紙まで153冊すべて花森さんのデザイン
ナマのイラストは印刷物と違って迫力あります。
そしてイラストは可愛らしく、写真はオシャレ!
イラストから写真のものまで多岐に渡り、一斉にすべての表紙デザインが観れるのも展示ならでは!これ、これが観たかったんです!!

雑誌のレイアウト

レイアウトのこだわり効果的な配置を自ら行う
1ミリ2ミリにこだわりを、読者に届けたい、伝えたい気持ちで制作している。
ナマの原稿が展示してあります。
おそろしく細かく、なおかつシンプルで見やすい。ダイレクトに伝わるようになっている。
読者とともに、読者の立場で考えるというのが除き見えます。

広告を載せない、それが成り立つ凄さ

世界で見ても広告を載せないのはありえないくらいのことだそうで、それでも100万部売る雑誌に成長した「暮らしの手帖」花森さんの才能と努力ですね!

印象に残る言葉

「みなさん物をたいせつに」
高度成長期で物が溢れた時代に突入して、ものがただのものとして扱われる日常や溢れかえるゴミ問題に人々に問う一言。
今現在の私たちにも突き刺さる言葉なんではないでしょうか?
考えさせられます。。。

花森さんは鳥を飼っていた模様。。。

展示の最後に花森さんが孫娘・陽子さんに宛てた絵手紙が何通か展示してあります。
それがまた可愛らしい絵手紙!届いたら嬉しいだろうな〜
その絵手紙の文面に「ぴーぴこ」(鳥のイラスト)が水あびしている、ぴいぴい鳴いて相変わらずうるさいという記載がありました。
なんだかちょっと生活が見えてホッコリしてしまいました。

感想とまとめ

だいぶ堪能させていただきました。
私では語り尽くせない程濃い展示会でした。
花森さんの時代の「暮らしの手帖」をリアルタイムで購入して読んでみたかったな〜
と強く感じました。
お気に入りの物を大事に使う花森さん、仕事では厳しい花森さん、孫には優しい花森さん
いろんな顔の花森安治を見れた気がします。

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